YELL~あなたへの応援歌♪2022Track.1~ 『25歳の君へ、54歳のあなたへ ~プロ野球選手のセカンドキャリア事情③~』
新年あけましておめでとうございます。
2022年、令和だと4年?(だんだん和暦が危うくなります)ですね!?
今年はどんな年になるんだろう…ワクワク、ドキドキ、ソワソワ、ヒヤヒヤ、去年がイマイチだった人も、去年がサイコーだった人も良くも悪くも一旦リセット、リスタートできるのが新年です。
お読みの皆さんも新しい年、良し悪しは自分次第と思って1/365歩の最初の一歩を踏み出してください。
およそ昨年の10月から野球選手のセカンドキャリア支援をしてきました。
今年はセミナーで全国行脚できずに歯痒い思いもしましたが、キャリアの相談をしてくれた選手には全身全霊振り向けて対峙してきました。
この年末、晴れて内定をもらえた選手がいます。
彼との対峙を2022年の筆初めとしたいと思います。
私のキャリア面談は人生のバイオリズムを互いに確認することから始めます。
丁寧に歩みを遡りながら、「人生最高の時、俺イケてる、絶好調の時、いつだった?」
「どんな出来事があってどんな気持ちを抱いてた?」逆に「人生最低の時、俺全然ダメ、絶不調の時、いつだった?」「どんな出来事があってどんな気持ちを抱いてた?」
彼の人生最高の時は高校1年、投手として強豪校の2枚看板を背負い、どちらかと言えば現在NPBで活躍しているもう一人より注目を集めていた彼。
高校2年で肘の手術をしてからは思った投球ができずに大いに悩み迷ったそうです。
それからと言うものの自問自答、試行錯誤、紆余曲折、一進一退、こんな言葉が術後の彼の野球人生だったように思います。
短い投球数ならばいい球が投げられる、だから抑えに転向した。
でも真の実力を評価してもらうには投球数が少なすぎるのか、調査票が来ないことはこれが原因と考えて先発に転向するものの全く勝てずにチャンスをものにできず、また抑えに逆戻りする3年間。
『なぜなんだ!』『こんなはずはない!』『まだできる!絶対できる!』こんな思考が彼を諦めさせずに野球に向かわせていたのだと感じました。
彼は今、自信を失っています。
自信満々だった高校1年をピークに手術を経て、思うような投球ができずに失った自信。
肘を労わりながら、怪我をしないように、繊細に投球フォームを確認する、こんな彼の野球への向き合い方が性格も変えてしまったかのよう。
やがて私生活でも周囲の目も気にしながら言葉も行動も慎重に選ぶ彼。
「でもあなたはちゃんと自分を掴まえている、自分と向き合うことができている、それは素晴らしいこと」私はそう最初に話を切り返したのを覚えています。
「新しい人生で自信を取り戻す、そんな就職できたらいいね」
「あなたのその繊細さは今となればあなたの強さ、あなたらしさ、きっとそれに相応しい仕事があるよ」
「自分に無理はしないでいい、今の自分を存分に出して評価してくれる会社を選ぼう」
そんなやり取りを続けながら選んだ会社、そこから一発必中で内定を頂けました。
「おめでとう!内定出たよ!!すごいじゃん!!!」
その電話口でいつもより幾らかトーンの高い声で「ありがとうございます」と言ってくれた彼、きっと新しいフィールドで経験を積んで自信を取り戻してくれると思いました。
履歴書も職務経歴書もそりゃそのまま出せない彼ら(笑)
ヒヤリングしながら彼らに成り代わって言葉を選んで一緒に作る応募書類。
だからこそ内定が出ると自分が合格したかのように嬉しくて嬉しくて(涙)
この仕事、本当に面白い、やりがいがある、俺のラストジョブに相応しいって最近そう思う。
2022年はもっとたくさんの選手たちの未来に関わっていきたい、そう思う元旦です。
先日、去年一昨年とお世話させてもらった選手たちと酒を酌み交わしました。
オンラインでしか会ってなかったメンバーもいて、なんか年甲斐もなく気恥ずかしい想い。
それぞれに新しい人生をスタートしててそれは悲喜こもごも、転職決めたやつ、仕事に悩むやつ、楽しく仕事できてるやつ。
昔から『3年頑張れ』ってよく言ってたし、自分も最初の就職は3年頑張った。
最初の就職は求職者もそして求人企業も見誤る、そんなの実は至極当たり前のこと。
ワンチャンで互いに完璧に理解することは難しい、互いに表面しか見れてなくて本当の姿は入社してから解るものだったり。
多くは好きな仕事を選んだのではなく、仕事をするうちに好きになってく、好きになる努力をしているもの。
それが仕事ってもんだよ、選んだ責任とその上での覚悟。
でもこの仕事をして多くの求人票を目にし、改めて訂正の上でこう言いたい!
『少なくとも最低1年頑張れ』
残酷にも1年未満の早期退職ではなかなか次の選択肢が少ない、選べたとしても『そんな会社』かもしれない、そう考えて欲しい。
万一次の就職しくじったら、もう次がないと思ってちゃんと真剣に選びなさい。
ジョブホップするな、キャリアはビルドアップしなよ。
そんな世話焼きおせっかい男の私にはジョブホッパーがご馳走かもしれない。
つづく