YELL~あなたへの応援歌~2024Track♪4 『サクラと母と認知症~母と弟と向き合った270日「おふくろ、おかえり」』
日本では3月年度締めで4月年度初めのしきたりですね!?
私は外資出身なので12月年度締め、1月年度初めが染みついている感じ。
とは言うものの、サクラが我慢をして新年度に桜が咲き始めるのはやっぱりいいよね。
新しい生活を明るく迎え入れてくれる、華やかに迎え入れてくれる感じがします。
最近は温暖化でだいぶ早めにサクラが咲いちゃうから、本当はこれぐらいが風光明媚でちょうどよいかも。
とともに、また電車混むなぁなんて、毎年恒例ですが憂鬱な春でもあります(苦笑)
今年の桜には格別な想いがあるんです。
『花開くの我慢して欲しい』って切実に願っていたのです。
退院する母に綺麗に咲き乱れる桜を見せてあげたいな、そう願っていました。
『サクラさん、待っていてくれて本当にありがとう』
今日は3月31日、明日4月1日にめでたく母が退院します。
思い起こせば1月19日、人生最大のウソをついて騙して病院に強制入院させました。
あの日のこと、そして母の姿は決して忘れることがありません。
2日間は隔離部屋に閉じ込められて、食事も拒否し暴れたように先生から聞いています。
それはそうだよな、だって入院するなんて思いもしないこと。
弟の通院に付き添っただけなのに、なんで私なの!?って思うよね。
辛い思いをさせて本当にごめんね。
あれから2カ月半、よく我慢したね。いよいよ退院だよ。うちに帰れるよ。
父ちゃんの墓参りもして、美味しいもの食べて、うちに帰ろうね。
その日は1泊するから弟と三人で仲良く寝ようね。
ごはんは俺が作ってあげる、献立もちゃんと考えてる、今日は東京でカレー作って明日持っていくね。
炊事洗濯掃除、聡とバトンタッチだよ。会計の管理も聡にもう任せてね。
だいぶ歳喰っちゃったけど、本当に自立させるなら今がチャンスだからね。
面倒見なきゃって思うだろうけど、選手交代で子供が親の面倒を見るのは当たり前だから、それより身体を休めながらリハビリもしながら元の生活に段々と戻していかないとね。
本当によく頑張ったね、ごめんね、そして退院おめでとう。
母は2月に87歳になりました。
ここ5年ぐらい少しボケてるなって感じることもあったけど、カラダは元気だしウチのおふくろに限って大丈夫だと高をくくってました。
でもコロナ禍でだいぶ様子が変わって、感情のコントロールが効かなくなって、電話してきて怒ったり泣いたり、そして体調の異変を訴えることも多くなり、家事にも負担が大きくなってきたようで、弟に聞くとここコロナ禍からほぼ食事を作ることもなくなったようで。
昨年の秋口にようやく病院に連れていくことが出来ました。
1度目はドタキャン、2度目は素直に聞いてくれて病院に一緒に行きました。
先生の質問に答えは曖昧、特に時間についての記憶力が乏しく、日時曜日は覚えていない、
そこで現実を突きつけられました。母は『認知症』なんだと。
そこからは「私は病気じゃない」って取り入ってもらえず、通院拒否に。
子供では無理と、母の姪っ子であるいとこに協力してもらいながら、だましてだまして病院に。そうこうしているうちに粗暴が始まり、英断して今回の強制入院に。
いとこには感謝しかありません。本当にありがとう。
さてようやく母が帰ってきます。
今まで通り生活できるのか、そもそも認知症の症状はどれぐらいなのか、不安で仕方ありません。もちろんケアマネさんに入ってもらって訪問介護から始めます。そして慣れてきたらデイサービスにも出てもらえるように準備をします。それは弟が安心して働きに出れるようにです。弟は30年精神疾患を患っています。自分のこともままならないのに、おふくろの面倒まで、ってまた壊れたりしないだろうか。寝食を共にし一番向き合うのは弟。
でもほぼ初めての一人暮らし2カ月、やればできるじゃん!って少し安心しました。
母の認知症、弟の精神疾患、この同居を東京から見守る私。
もともと60歳ぐらいになったら働き方を変えて小田原に戻ろうかなんて考えてました。
ローンも払いきれないだろうし、いっそ売却してそのお金で中古のマンションを小田原あたりに買おうって考えていた矢先の今回の出来事。
これからが本当の闘い、認知症との闘いなんだろうなと覚悟は決めている。
8050問題とかよく言われるけど、高齢化社会で9060問題になりつつある日本。
ウチだけの問題ではなく、こんな家庭は本当にたくさんあると思う。
母親は国民年金、年金で入れる特別養護老人ホームって実際どうだかわかりますか??
ほとんどが100名以上待ち、小田原で一番きれいな施設は300人超待ち。
重篤な要介護5から順番に入居だそうで、要介護3の母では「施設には恐らく入れないでしょう」って病院には言われました。そう考えると待機している人が山のようにいる、その家庭ではやむを得ず、家族が介護をするという厳しく辛い現実。
費用が高い施設は空いてるし、いくらだってあるけど、私がそれを負担したら今度は自分の老後が危うくなる、自分にも守るべき家庭がある。
介護を苦に殺人、介護を苦に自殺、今まで考えに及ばなかったけど、そんな気持ちを解らなくはないな。だって本当に向き合うと苦しいことがたくさんある。
介護施設足りてない、そもそも働き手足りてない、国の構造の問題もあろうけどその問題を解決するのが頭のいい官僚や政治家の仕事じゃないのかよ!って。
裏金なんて話題になってる場合じゃないし!!って思いません??
25年前、私は父の突然の死でたくさんの財産をもらいました。
お金は遺してくれなかったけど、経験というかけがえのない財産を遺してもらいました。
だからこそ保険業界で生きてこれたのだと思います。
そして今回、認知症の母からたくさんの財産をもらいました。
日本の闇と現実、介護の闇と現実、でも現実を受け入れてできることをする。
とにかく母親に安心して生活してもらうために最大限の努力をする。
経験がたくさんの知恵を生んでくれる、これをこれからの人たちに伝えていくことが使命。
若い人たちへ。
時間を味方につけて自分の身は自分で守るため、老後の資金を今から作ってください。
若い人たちへ。
親の面倒は誰が見ますか?あなたが見るのならばその親のためにもお金を蓄えなければなりません。
同世代のシニアの皆さんへ。
あなたの親世代は85歳で約半数は認知症を患います。その多くは女性、母親です。
親の変化に気づいてあげてください。少しでも早く準備ができるのならばそれに越したことはありません。
団塊の世代のシニアの皆さんへ。
子供に面倒掛けたくない、絶対それが本意だと思います。
同世代の方々は大人数いる、でも施設はその人数を満たすほどありません。
今から子供に面倒掛けないための準備をしてください。
資力に余裕があるなら準備の方法はたくさんありますから、見識者に聞いてください。
母には父の分まで長生きして欲しい、そして弟には母親を安心させられるように自立して欲しい、ウチには子供がいません、子供が二人いるようなもんになる、ってなんとなく思ってました(笑)オヤジにはだいぶ宿題たくさんもらってるけど、大丈夫!俺に任せて安心して天国でゆっくりしてください。おふくろはもう少しこっちで預かるからね。
~つづく~